【はじめに】
戦後の焼け野原の中、「明るい豊かなまちづくり」という志のもと、青年会議所が誕生しました。それから60余年、日本という国はどこへ行こうとしているのでしょうか。今の我が国を考えると、貧しくとも「OMOIYARI」という美しい心を持っていた日本人は時代が進むにつれ豊かさと利便性を引き換えに、その心を失ってしまった気がします。
はたしてこれが、我々の先達が望んだ理想の社会なのでしょうか。我々JAYCEEは皆、「OMOIYARI」溢れる明るい豊かなまちの実現を目指して青年会議所の門を叩いた事と思います。だからこそ我々は、真直ぐな志を高々と掲げ、道を指し示して行かなければなりません。「勇気」を持って道を示すには、自分達の力になる「英知」を身につける必要があります。そして「英知」を糧に「情熱」という大きな炎を燃やし、志という旗を、大きく掲げ「挑戦」しようではありませんか。
【新たなる10年の挑戦】
2010年に日本青年会議所が公益社団化しました。「JCしかなかった時代からJCもある時代」へと言われて久しい昨今でありますが、確かに個々の事業を捉えた場合、優れた活動をしている団体は数多くあります。しかし、自己の修練と社会への奉仕を考えた時、国内の708会員会議所4万名のネットワークを活用し行動している青年会議所は群を抜いた団体でありたいと私は考えます。
神奈川ブロック協議会は、かながわ行動プラン「誇り高き市民意識の高揚の実践」「個性あふれる地域づくりの実践」「協調性ある地域連携の実践」の3つの柱を軸に運動を展開してまいりました。これからは新たな時代に向けた2010年代の行動指針を策定し、そのプランに向けてさらなる挑戦をしてまいります。
【JAYCEEの挑戦者達へ】
まちづくりのリーダーであるJAYCEEは、大局的な視野と相手を納得させる知識と
理解する気持ちを持ち、その組織を牽引できる勇気と情熱がなければなりません。そして「まちづくりは人づくり」という言葉が有るように、人と人との繋がりこそがまちを創っていく、それこそがまちづくりの根底であるのだと考えます。地域の指導者たるメンバーは利他の精神をもってメンバーや市民に、そして地域に光溢れるように指導してほしいと思います。そして人と人が付き合うには、お互いの知識と人格を尊重しあえる環境が必要であります。そんな学びの場や人と人の絆を創る事ができるのが「志塾」であると考えます。その学んだ事を各地に持ち返り活用する事が「主体的な貢献」に繋がり、明るい豊かな社会となるはずです。
【新たなるJAYCEEの仲間へ】
2004年より我々神奈川ブロック協議会では、「ベーシックセミナー」という研修システムを活用しております。このシステムは新入会員が青年会議所という我々の組織を理解し、時代に即した各地LOMだけではできない横のつながりも含めたしっかりとした知識とそして人のネットワークを学ぶものであります。21会員会議所より付託と信頼を受けてお預かりした青年会議所の新入会員が広い視野と、お互いに対する信頼と友情を身につけLOMの次代の指導者に成り得る様に、JAYCEEとしての資質にさらに磨きをかけられる研修を行ってまいります。
【いま、災害に対する挑戦を】
1997年に日本海で起きたナホトカ号重油流失事故の時は延べ30万人の人が重油の回収作業にあたりました。この時、混乱を生じさせずに多くのボランティアを導いたのは、ネットワークを持つ青年会議所メンバーでした。日々想像できない目を覆うような災害がまったなしでおきる昨今、青年会議所はそのような事象に対処する為にAEGISに代表される青年会議所間の災害支援ネットワークを構築しています。しかし、構築しただけではなく絶えずこのネットワークを整備し、時代に即した変革を遂げていかなければ、その時に必ずスムースに動くとは言い難い物であります。災害時に、その場所で指導者的立場になるJAYCEEにとってネットワークは、大変心強い味方であります。
私達のかながわにおいても大きな災害が起きる可能性があります。災害は避けられない問題であるとするならば、その時に自発的にそして効率的に動かなければならないのがJAYCEEなのです。その力を十倍にも百倍にもするためにも改めて何時でも動ける様に、変革への挑戦を止める事は許されないのです。
【かながわから、新たなる日本への挑戦】
150有余年前、開国を境にかながわの地において近代日本の幕は切って落とされました。市民の笑顔のため、明るい豊かな社会を創造するために先達は心血を注ぎこの社会を創ってきました。憲法改正国民投票法が完全施行する今こそ、世界の中の日本として外交や防衛、国民の生活と安定を守るための経済や福祉といった諸施策の骨格となるルールをどうするのかを、いよいよ市民自らがその進路を決める時が来ました。そこで主権者である市民自らが過去を踏まえ、そして時代に即したものを創り納得した上で活用できるように、今一度冷静に考え見つめ直す機会を創らなければなりません。その為にも市民自ら考えそして大局的な物の見方ができる機会として公開討論会、そして国民参加型憲法タウンミーティングという場面の創出こそが地域に密着した青年会議所としての新たなる日本への挑戦につながると考えます。
【かながわの明日への挑戦】
次代を担う高校生達が自分達の地域だけでなく、かながわというステージにおいてまちを真剣に考え意見を醸成し議論する事ができるのがかながわハイスクール議会であります。神奈川県と青年会議所、そして高校生の議員達と一緒に真剣に自分達のまちを論じ、提言することで発言に責任を持って活動してくれると信じています。そして高校生達は数年以内に政治の世界に接する事ができる立場になります。その時に彼等がミクロではなくマクロでの視野を得ることで迷わずしっかりとした意見を持ち、明日のかながわを考える事ができるためには、この機会は彼らにとってまたとない機会と考えます。いつの日か彼らから天下国家を論じ、政事を司る人物が出てくる事を信じています。
【かながわの環境と経済への挑戦】
私達が当然のように受け止めている季節に対する敏感さは、日本のあらゆる芸術で重視され表現されてきました。食でも同じく、旬の喜びや初物を大切に思うことが日本人の日常生活に根付いているように、日本人は自然を大切にしてきました。では、なぜ私達は環境破壊を進めてしまったのでしょうか。それは、経済発展のためには仕方がないという自然への甘えが過度に生じたからではないでしょうか。現状を打開するには、人間の欲望そのものを問い直し、社会の仕組みを変えなければなりません。過度な競争主義や利益至上主義など、現代社会に漂う概念を覆すのは容易ではありません。しかしながら、その概念が現代社会の危機の背景にあるものだとしたら、ためらっている猶予はないのです。自然は有限であり、その有限をどう受け継いでいくのかは身近な日本の思想からヒントを見出し、環境から地域益、企業益について考え挑戦してみようではありませんか。そしてその環境も、改めて訴えていかなければならない事案だと思います。ちょっとした事が、やがて大きな災禍となるのは、人類の歴史を紐解かなくても少しの想像力で考えられる事であります。明日からでなく今日、そしてかながわの地から環境運動に挑戦していきます。きっと今日の一歩が明日の飛躍の準備となると私は考えます。
【JAYCEEの運動発信への挑戦】
現在は誰でも簡単にリアルな情報を得ることができます。さらにマスメディアから一方
的に受け取るだけであった情報が双方向通信によって少数の意見もしっかりと発信できる時代になっています。しかしさまざまな情報が氾濫する中、市民と共に活動する青年会議所活動の発信の場としてメディア戦略が必要であります。市民やメンバーが理解しやすい情報を発信すると言う事は、あらためて事業を見直す作業ができるという利点があります。そして初めてマスメディアと我々が情報発信する為の電子メディアの双方をバランス良く用い、我々の意図する想いをしっかりと発信する事によって新たなるまちづくりの一歩が刻めると信じています。それこそが、青年として時代に即した道具を使う事によって新たなる可能性に挑戦していく姿であります。
【協議会としての力】
神奈川ブロック協議会は21会員会議所から付託と信頼に基づき、LOMに一番近い日本青年会議所として活動しています。社会が複雑化しまちづくり運動が多様化する中で、かながわのメンバーがまちづくりに何が求められ必要とされているのかを効率よくそして判り易く提示出来る現場を提供してまいります。LOMから必要とされるブロック協議会として常に進化していく協議会を目指すと共に、LOMにとって日本青年会議所、そして関東地区からの重要な情報源としての機能も更に強化していきます。特に日本青年会議所が取り組んでいるLOMとの協働事業や連携推進運動については、ブロック協議会が窓口となり各地LOMが取り組みやすいよう働きかけていきます。その運動も各地LOMが取り組んでいただけなければ画餅飢えに充たずとなってしまいます。各地LOMが取り組む事によって青年会議所という全国組織の繋がりを活かし、市民意識変革運動を実行しあかるい豊かなまちをめざします。
【21の志士達の力こそ宝】
「かながわはひとつ」という言葉の下、神奈川ブロック協議会は21の志士達の力を集め、同じ志を掲げて活動しています。ブロック事業や横浜で開催される「サマーコンファレンス」で育まれた友情があります。2010年に開催された「全国会員大会小田原箱根大会」では社団法人小田原青年会議所を中心に21会員会議所が力を結集し協力し合う事で改めてLOM間の友情が育まれ大きな力となりました。
ブロック会員大会とは、21会員会議所と神奈川ブロック協議会が一丸となって青年会議所活動を市民に発信する場であります。2011年度の会員大会は、社団法人秦野青年会議所主管のもと、秦野の地にて開催されます。秦野市は、四方を先達が山を切り開き、自然と人間が共に育んできた山地、里山に囲まれた独特の地形をした地域であります。そんな里山に囲まれたかながわの屋根、表丹沢の麓で開催される本大会を私たちが目指す明るい豊かな社会を実現するための多くの気づきを得られる運動発信の場として参ります。そのためには多くの市民の皆様に参加していただき、私達が未来に何を残せるのか、そして私達はいま何をしなければならないのかをメンバーと共に気づき考え、そして行動に繋
げる機会としていただきたいと考えています。その挑戦こそ、かながわという土に明るい豊かなまちという花が咲きあふれるきっかけになると考えます。
【結びに】
青年会議所とは、可能性の追求とその目標に進む勇気そしてやればできるという感動を与えてくれる組織です。明るい豊かなまちを創るのも挑戦なら、小さな一歩を踏み出すのも挑戦であります。誰もが一歩を踏み出すのは不安と期待で一杯だと思います。でも不安だからと言ってまちを見ているだけでは何も変わりません。見ているだけでなく少しの勇気で、そして仲間と挑戦してみませんか。その小さな挑戦が明るい豊かなまちを創る第一歩となるのです。そして一人ではできない運動も多くの仲間がいれば達成できる運動となります。誰かがやってくれるではなく自らが進んでやる社会となれば大きな潮流となってこの社会を変える事ができると確信しています。
私は1996年に青年会議所に入会させていただきました。さまざまな立場を経験し、多くの友人にめぐりあう事ができました。今の自分があるのも青年会議所での様々な経験の賜物であると思っております。2010年の全国大会小田原箱根大会ではずみをつけた青年会議所運動をこのかながわにとって、そしてそれぞれの地域にとって絶対に必要だと言われなければならない存在にしようではありませんか。そのために私たちの運動の価値を上げ、魅力あるものにしていきましょう。若者が元気な地域は活力が生まれます。私たちは明るく元気良く青年会議所の運動に邁進し、地域の皆さんに元気を発信していこうではありませんか。どんな困難が立ちはだかろうとも、どんな苦しいことがあろうとも、私たちには可能性という大きな財産があります。若い力を集結し、互いに奉仕し修練をとうして友情が育めるような事業を通じ、公益社団法人の協議会として、そして21会員会議所に一番近い日本青年会議所としての責任と自覚をもって精一杯かながわの仲間たちと「明るい豊かなまちづくり」に向けて、挑戦してまいります。