Junior chamber international yokohama

リーダーからリーダーへのメッセージ

リーダーからリーダーへのメッセージ

一般社団法人横浜青年会議所

INTERVIEW 02

株式会社崎陽軒

代表取締役社長

野並 直文

人との関わりの中で、
学校では学べない多くのことを学ぶ

PROFILE

プロフィール

野並直文氏 株式会社崎陽軒  代表取締役社長 

1949年1月22日生 。1971年慶應義塾大学商学部卒業 、株式会社崎陽軒に入社。1991年に代表取締役社長に就任。  「真にローカルなものがインターナショナルになりうる」という信念のもと、 常に名物名所の創造をめざしている。
また、(一社)横浜青年会議所では1986年度理事長を務めた。

INTERVIEW

インタビュー

リーダーは明確な目標を持つべし

  • 私がリーダーとして大切にしていることは、会社はここに向かっていくという方向性を決め、それにベクトルを合わせて人材やお金など、様々な経営資源をその目標に集中していくことだと思っています。
    トップはその進むべき方向を決めなければならないし、責任があります。なぜなら、多くの従業員が会社の進む方向性を見極め、何をすれば会社の役に立つのかを考えて行動してくれるからです。会社に貢献したいと思ってくれている社員のためにも明確な目標を持つことは非常に有益となります。

    虫の目、鳥の目という言葉があります。これは虫の目の視点で見えるような細かい所を見て、鳥の目のように高い視点から広い視野で全体・対局を見ていくということです。
    例えば、大名もたまには変装をして街に出て庶民の生活を見ることも必要だけど、重大な決断は天守閣に登って、遠くを見渡しながら一人で孤独な決断を迫られる。
    そういった意味で、トップは広く長期的な課題を考えなくてはいけないのです。

一村一品運動の理念、真にローカルなものが
インターナショナルになりうる

  • ところで、私がまだ若い頃、崎陽軒を全国に広げてナショナルブランドを目指すべきか又は横浜周辺で総合食品サービス企業のようになるべきか、どっちが進むべき道か?と当時の社長に問われたことがあります。
    社長の問いについて考えていた時に、全国的に有名な活動となっていた大分県知事が提唱していた、町おこし・村おこし運動の「一村一品運動」の話をたまたま聞く機会がありました。
    その話の中で一村一品運動の理念である「真にローカルなものがインターナショナルになりうる」という言葉に感銘を受けました。
    一番分かりやすい良い例で言うとアルゼンチンタンゴです。ブエノスアイレスの一地方の民族舞踊が、真に音楽性が優れているからこそ、今や世界中の人が楽しむ音楽・舞踊となっています。
    それだ!と思い、崎陽軒はナショナルブランドではなくローカルブランドを目指そうということになったのです。
    このきっかけとなった出来事との出会いは、私が横浜青年会議所に所属して、活動していなければ、その話を聞くことはできなかったのです。もしかしたら会社の進む路線は違っていたかもしれません。

お客様本位の立場になって考え、決断を下す

  • 会社の論理とお客様の論理は時に矛盾することがあります。そういう時はお客様の立場に立って判断をしていくことが大事です。
    私が入社した当時、シウマイを作れば売れる時代で、故に内向きな会社でした。しかし、たとえ自分が好きな食材であったとしても、必ずしもお客様には好まれないこともあります。当時は、サービスが悪くても売れていたからお客様本位からはずれていたのです。
    それでは良くないと考え、お客様本位という方向に転換してきました。
    では、お客様本位とは何でしょうか?よくお客様第一という言葉を聞きますが、何を持って第一なのでしょうか?二番は?三番は?その中で、あなたがた従業員は何番目ですとはっきりと言ってあげてこそ明確な基準ができ、目標を持たせることができると考えています。
    崎陽軒にとって一番大事な財産は「ブランド=日々のお客様の信頼の積み重ね」です。
    金銭的にいくらとして評価することは非常に難しいけれども、一番重要なところです。
    ただ、長い時間かけて築き上げてきたものであると同時にちょっとしたことでも簡単になくなってしまう非常に脆い物であると自覚しないといけません。いかにブランドを高めていけるかが様々な判断の基準になっています。
    そういった基準を自分の中で持つことで、リーダーとしての決断をする際の基準としています。
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