公益法人改革に関する中間答申 

 

目次

 

はじめに

 

1.公益団体としての意義を再確認するための公益社団法人選択

(ア)   歴史を踏まえた本会の存在意義の確認

(イ)   日本の青年会議所に与える影響への配慮

(ウ)   本会における公益社団認定の要件と認定への道程

2.公益事業に注力するための固定費の見直し

(ア)   事務局家賃の見直し

(イ)   事務局員費の見直し

3.積立金の処理

(ア)   現積立金開始の経緯と当初の目的

(イ)   公益社団要件に合致する処理案

(ウ)   新入会員入会金および特別会員会費の処理

4.保有株式の処理

5.定款変更について

6.当諮問会議の今後の予定

 

<参考資料>

1.        公益法制度改革について

2.        スケジュールシミュレーション

3.        2006年度支出明細と公益目的事業費ならびに支出割合

4.        家賃シミュレーション(2006年度開港150周特別委員会作成)

5.        事務局組織図及び構成メンバー図

6.        事務局員費シミュレーション

7.        積立金に関する問題点

8.        積立金に関する調査報告書

9.        事業一覧

 

 


はじめに

 2006年6月2日にいわゆる公益法人三法(以下「新法」)が公布され(遅くとも2008

12月1日までには全面施行)、新法に則った公益法人の整理が始まった(公益法人制度改革

について)。本会においてはこれまで当該委員会にて調査・研究を行ってきたが、本年度、

理事長諮問機関として組織変革推進会議が設置され、新法への対応について具体的な行動が

開始された。

 本会議体では、組織向上委員会小島顕委員長以下、メンバー各位の協力を得て、昨年11

の勉強会、本年2月〜4月にかけて3回の討議を経、公益法人改革にあわせた本会の対応に

ついておおまかな方向性の合意を得たので、ここに中間答申としてとりまとめることとした。

 新法によると、従前の社団法人は、新法全面施行後5年以内に公益社団法人としての認定

申請をして認定されるか、又は一般社団法人としての認可申請をして認可されないと自動的

に解散することとなっている。そこで、この中間答申では、新法全面施行後5年以内に必ず

決断、変更の行動を起こさなければならない事項について集中的に取り上げている。公益法

人認定要件の詳細については、政令や内閣府令によるとされ、この政令および内閣府令が

現在は制定されていないため、具体的な移行の手段については後の調査・研究を待たねばな

らないが、全体の方向性については構成員の合意を得た内容となっている。また調査・討論

の結果、早期の定款変更等が必要になることも判明したため、以後の手続きを円滑に進める

ために中間での答申という形をとっている。現時点で議論途中の案件については、年度末の

最終答申にて取り上げることとしたい。なお、討議の過程においては数多くの貴重な意見を

頂戴したが、できる限り簡潔でわかりやすい答申とするため、すべての意見や提言を盛り込

んではいない点を了承賜りたい。

 今回の公益法人制度の改正は行政主導の改革ではあるが、これを単なる手続きと考えるこ

となく、本会創立56年の歴史を踏まえ、これからも横浜のまちになくてはならない団体とし

て信任をいただくために、事業の質や会員としての心構えを会員全員が真摯に考え直す機会

とするとともに、未来永劫に亘ってその志を継承していただくことを切に望むものである。

 

2007年度社団法人横浜青年会議所

組織変革推進会議 議長 江森克治

 

 

 

1.        公益団体としての意義を再確認するための公益社団法人選択

本会としては、公益認定を受け公益社団法人となるべきと考える。その理由は、下記

(ア)および(イ)のとおり、公益認定を受ける上での課題は、下記(ウ)のとおり

である。

(ア) 歴史を踏まえた本会の存在意義の確認

 本会は、1967年に、単なる親睦団体・個人的利益を追求する団体ではなく、公益

の実現に努める団体として地域社会から認められることが第1の意義であるとして

社団法人格を取得した(本会基本資料2007p161、p166)。

  以来、本会は、公益法人としての誇りを持って活動し、公益活動をする団体として

市民や行政から信用を得てきた歴史がある。

(イ) 日本の青年会議所に与える影響への配慮

(社)日本青年会議所では、公益認定申請に向けた準備を進めており、セミナーやホ

ームページ上で全国の各LOMに対しても公益認定を受けるよう働きかけている。

 本年2月に(社)日本青年会議所が全国のLOMに対して実施したアンケートによると、

現時点で社団法人格を取得していない2つのLOM(さくら(宮城ブロック協議会、51名)、

肥後大津(熊本ブロック協議会、17名))だけが「一般社団法人を目指す」と回答した

のみで、52%のLOMが「公益社団法人としての認可取得を目指す」と回答している。

  以上の状況からすると、他会は、会員数300名超の本会の動向を注視し、本会の選択

は他会の選択に大きな影響力も持つものと思われる。(社)日本青年会議所が公益認定の

道を選択する以上、本会もリーディングLOMとして公益認定の取得を目指すことが

使命である。

(ウ) 本会における公益社団認定の要件と認定への道程

  公益認定のための具体的な要件は、本年秋に内閣府令によって明らかにされると言わ

れている。したがって、本会における具体的な是正措置およびスケジュール設定につ

いては本年秋以降に検討することになるが、現時点で検討すべき課題としては第2項

以下に掲げた「公益事業に注力するための固定費の見直し」および「積立金の処理」

「定款の変更」であると考えた。

  また、検討事項を慎重に検討しつつも「全面施行後5年」という期限が設定されて

 いることから、次年度以降、2年をかけて公益認定申請に向けたシミュレーションを

策定・実施し、適時検討を重ねながら、2010年2月の公益認定申請に向けた準備をす

る必要があると考えた。ちなみに、組織向上委員会より、2010年2月に公益認定申請

することを前提とするスケジュール案が本会議体に示されている(スケジュールシミュ

レーション)。

 

2.        公益事業に注力するための固定費の見直し

  2006年度決算によると、1年間における事務局家賃は5870424円(7.1%)、事務局

  員費は12435586円(総支出の15.1%)となっており、上記支出のみで本会の年間総

支出の22.2%を占めている(2006年度支出明細と公益目的事業費率ならびに支出割合)。

  公益社団法人に認定されるためには、総支出の50%以上を公益目的事業費としなければ

  ならず(公益法人認定法5条8号)、高額の固定費は公益認定およびその維持にあたって

大きな障害となる。

したがって、事務局家賃および事務局員費の見直しは公益認定取得を目指す上で必須の

課題となるものと思われる。

  なお、公益目的事業か否かの判断基準の詳細は、本年秋に制定が見込まれている内閣府

令によるものとされており、本会における各事業が公益事業か否かの判断および公益認定

を目指した予算案は、内閣府令を見た後に検討することとする。

(ア) 事務局家賃の見直し

2006年度、開港150周年特別委員会(水谷浩之委員長)が事務局家賃の見直

しついて調査・研究に着手し(家賃シミュレーション)、本年度は組織向上委員会が

引き継いだ。当初は、不動産購入した上での事務局移転も視野に入れた検討がなされ

たが、土地を購入し建物を新築するには購入・建設資金の調達が困難、適当な中古物

件を探した上で購入する方法もあるが、本会の考える条件に合う物件探しは困難であ

ることに加え、購入後の諸費用(管理費、修繕積立金等)もかかること、さらには、

近時の不動産市況の好転により建物の時価が高騰していることから中古物件の購入も

困難、との結論に達し、主に、より安価な賃料の物件への移転への検討がなされた。

現在までのところ、本会が考える条件に見合う賃貸物件は見あたらない。しかし、

事務局家賃の軽減化をしつつ、諸会議室や市民との交流スペースを確保できる機能性

の高い物件に事務局を移転することは近時の本会の課題であるというべきであり、

今後も調査・検討を継続し、条件が合致する物件が見つかった場合には、速やかに

事務局移転に着手できるよう本会内部のコンセンサスを得ておく必要があるものと

考える。

(イ) 事務局員費の見直し

現在の事務局は事務局長(正社員)1名、事務局員(正社員)1名で構成され、

上記のとおり、2006年度決算によると、1年間における事務局員費は12435586

(総支出の15.1%)となっている(2006年度支出明細と公益目的事業費率ならびに

支出割合、事務局組織図及び構成メンバー図@)。

本会議体では、現行案を含む4つの事務局構成案について検討し、そのうち事務局構成

を事務局長(メンバー)1名、事務局員(正社員)1名、事務局員(パート)に変更

する案が妥当であるとの合意を得た。この案を採用した場合、事務局員に対する支給

金額合計は、正社員2856000円、パート職員1852000円(合計4708000円)

となり(事務局人件費シミュレーションB)、構成メンバーの報告によると、年間

500万円超の支出削減を見込むことができるとのことである。

 

3.        積立金の処理

 本会は、現在、1億7100万円余りの現預金のうち、1億2800万円余りを使途目的の定め

のない積立金として保有し、さらに、今年度も使途目的の定めのない積立金として新入会員

入会金および特別会員会費の合計490万円を積み増す構造になっている。

 しかし、公益認定にあたっては、「遊休財産額」は、 「内閣府令に定めるところにより

算定した額」(現時点では、内閣府令は制定されていないが、公益目的事業費の1年分と言わ

れている)を超えてはならないとされている(公益法人認定法5条9号、16条)のであり、

上記積立金の処理は、公益認定を受けるにあたって、重要な課題となるものと思われる

(積立金に関する問題点)。

(ア) 現積立金開始の経緯と当初の目的(積立金に関する調査報告書)

本会における積立金は、1970年から開始された。積立金の目的については、現存する

記録上明らかでないため、複数のシニア会員に問い合わせたところ「有事、緊急の事態に

備えるための蓄え」という回答を得るに留まった。

なお、現存する記録から過去の積立金取崩し事例を4件、確認することができた。

(イ) 公益社団要件に合致する処理案

  その金額が大きいため、積立金の処理にあたっては多くの会員の承認を得る必要がある

こと、上記「遊休財産額」の詳細は内閣府令で定められるところ、その内閣府令が現時点

では制定されていない(本年秋に制定されると言われている)ことから、本会議体におい

ては、上記積立金開始の経緯、積立ての目的を考慮しながら第4回以降も調査・研究を継

続する。

 なお、組織向上委員会より4つの積立金処理案が示されている(積立金に関する問題点、

事業一覧)。

(ウ)新入会員入会金および特別会員会費の処理

 上記のとおり、新たに使途目的の定めのない積立金を積み増すことは、公益認定に支障

がある。したがって、新入会員入会金および特別会員会費は、今後、取得しないこととす

るか、取得金の多くを公益目的事業費に充当できる仕組みを検討する必要があると考える。

 

4.        保有株式の処理

本会は、株式会社みなとみらい21に対し1250万円を出資し、現在も同社の株式を保有

している。

しかし、平成8年に閣議決定された公益法人の設立許可及び指導監督基準によると、原則

 として株式保有は禁じられている。また、原則として株式を保有していないことが公益認定

の基準となっている(公益法人認定法5条15号)。

構成メンバーの報告よると、株式会社みなとみらい21は、近時に解散の方向で検討され

ているとのことであり、速やかに清算済みとなれば、問題はない。しかし、本会を監督して

いる神奈川県商工労働部総務課の山口裕也氏からは、同社の清算手続きがスムーズに進まな

かった場合、同社は非公開会社であることから、自由に株式譲渡することもできないため、

株式を保有したまま公益認定の申請をせざるを得ない事態も考えられ、その場合には、公益

認定の判断に何らかの影響がある可能性があるとのコメントを得ている。

 

5.定款変更について

 公益認定を受ける為の検討課題として下記項目を定款に定める必要がある。

(ア)本会解散時の財産処理の明記。

(イ)公益社団取消し時の財産処理の明記。

(ウ)監事任期の変更。

(エ)その他

具体的変更(案)、対応項目については本諮問会議、第5回以降に検討を予定している。

 

6.当諮問会議の今後の予定

  本会議は、当初、全4回を予定していたが、公益認定の詳細について定める内閣府令が本

 年秋に制定されると言われていること、公益認定に向けた検討課題の重大性に鑑み、より慎

重に議論すべきとの構成メンバーからの意見が出されたことから、全6回とすることとした。

今後、以下のとおり予定されている。

第4回(7月13日):積立金の処理について

第5回(9月):定款変更(案)、公益認定を目指した予算(案)について

第6回(10月):最終答申(案)について

以 上